和解したバウアーはどうなるのか

10月2日にバウアーの弁護団は暴行被害を訴えていた女性(リンジー・ヒルさん)と和解となったと発表しました(バウアーの代理人はレイチェル・ルーバ氏)。しかも女性側とは一切の金銭のやり取りをしなかったとのこと。保険会社からは女性に30万ドルが支払われるとのことです。バウアーは今季初めよりNPBのDeNAでプレーしているものの、この問題によってバウアーは実に約2年にわたって公式戦に出ることができませんでした。

2020年にシンシナティでサイヤングを獲得したバウアーはFAでドジャースと3年1億200万ドルで契約、しかし2021年5月16日に女性から暴行を受けたと刑事告発されました。バウアーは2021年6月28日の登板を最後にDV規定違反でMLB機構によって7月から制限選手とされ、試合出場が不可能となりました。翌2022年2月には証拠不十分で不起訴になったものの、調査を理由に制限リスト入りの延期が繰り返され、2022年4月に324試合の出場停止処分が決まりました。バウアー側の異議申し立てによって2022年12月には194試合に短縮されたものの、明けて2023年1月にドジャースはバウアーを自由契約にして放出、2023年3月にバウアーはNPBのDeNAに入団しました。ドジャースは最後の1年の年棒負担してでもバウアーを追い出したかった、という形になります。

当初から女性側のハニートラップではないかという憶測もあったものの、本件が女性の訴え通りだった場合、そのような憶測でさえ糾弾される大事になってしまいます。しかし、今回のこの和解報道によって、バウアーのキャリアの空白期間はなんだったのかという意見も飛び交っています。

通算305勝の殿堂入りレジェンド、トム・グラビンはYOUTUBEで「時間は返ってこない。私なら今の時代でプロスポーツをすることはできない。報酬は最高だけど、どこに行くにもカメラに追われる。人知れず外出することができず、撮影者は選手をトラブルに巻き込もうとする」と同情しています。

トム・グラビンは1:01:00頃から登場

バウアーの奇想天外なエピソードと魅力を気に入っているファンとしては「さすがに女性に暴力を振るわないだろう。」「問題児ではあったけど、キャリアを全ロストするような愚行はしないはず。」「クリーブランドで干されてシンシナティに飛ばされたときに懲りたはずだろう。」と信じたくない、という思いがありました。

火のない所に煙は立たぬとも言います。こういう騒動に巻き込まれてしまうのがバウアー、といえばそれまでですが、DeNAで健気に野球に打ち込む彼を見ると、そういった面も引き受けて、起こったことを飲み込んで、前を見て進んでいこう、という決意を感じました。

DeNAとは一年契約、今季DeNAは3位につけ、CS進出を決めています。一連の騒動に一定の区切りをつけた格好になったバウアー、CSで更なる結果を残し、MLBに返り咲くのか、また日本球界に残るのか、10/14から始まる広島とのCS、DeNAの成績とともにバウアーの動向が注目されます。