巨人不振と原監督コミッショナー就任論

苦しい戦いが続いています。原巨人、今季は4/23現在、8勝12敗、借金4の最下位。両リーグ最速での10敗到達は48年ぶりだそうです。

3/31  3-6 ● 中日
4/1  2-0 〇
4/2  3-2 〇

4/4 0-9  〇  DeNA
4/5 2-0  ●
4/6 4-0  ●
4/7 4-2  ●  広島
4/8 6-3  ●
4/9 4-2  ●

4/11  7-1  ○  阪神
4/12  1-2  ●
4/13  1-4  ●

4/14  9-2  ●  中日
4/15  2-6  ○
4/16  7-5  ●

4/18  0-2  ●  DeNA
4/19  5-1  〇

4/21  3-0  ●  ヤクルト
4/22  2-4  〇
4/23  3-7  〇

原監督は1958年福岡生まれの64歳。小学生の頃に神奈川に引っ越し、東海大相模で甲子園には4度出場、東海大では7回のリーグ優勝を経験。巨人入団後は長く4番サードを務め、1995年に引退するまでの14年間で、6度のリーグ優勝、3度の日本シリーズ制覇に貢献し、長嶋・王後の巨人を支えました。

引退後は3年間解説を務め、その後また3年巨人でコーチとして経験を積み、2001年に巨人監督に就任。第一次は2シーズン(その後2シーズンは堀内監督)、第二次の2006年からは10シーズン(その後3シーズンは高橋由伸監督)、再び2019年から現在まで、在任期間は歴代最長の通算17年を数え、その間リーグ優勝9回、日本シリーズ制覇3回、2009年WBC優勝と輝かしい成績を残しています。

2002  1位  44歳
2003  3位  45歳

2006  4位  48歳
2007  1位  49歳
2008  1位  50歳
2009  1位  51歳
2010  3位  52歳
2011  3位  53歳
2012  1位  54歳
2013  1位  55歳
2014  1位  56歳
2015  2位  57歳

2019  1位  61歳
2020  1位  62歳
2021  3位  63歳
2022  4位  64歳

2004-2005 堀内恒夫監督(3,5位)
2016-2018 高橋由伸監督(2,4,3位)

そして原監督にはプロ野球出身者初のコミッショナー就任の野望があると囁かれています。故星野仙一さんが抱いた夢を引き継いでいるとのこと。歴代コミッショナーは現職含め15名、すべてが他業界からの職歴出身者で構成されています。

初代  福井盛太  1951年- 検事総長
第2代  井上登  1956年 - 最高裁判所裁判官
第3代  内村祐之  1962年 - 東京大学医学部教授
第4代  宮澤俊義  1965年 - 東京大学法学部教授
             立教大学法学部教授
第5代  大濱信泉  1971年 - 早稲田大学総長
第6代  金子鋭  1976年 - 富士銀行相談役
第7代  下田武三  1979年 - 駐米大使
             最高裁判所裁判官
第8代  竹内壽平  1986年 - 検事総長
第9代  吉國一郎  1989年 - 内閣法制局長官
第10代  川島廣守  1998年 - 警察庁警備局長
              内閣官房副長官
第11代  根來泰周  2004年 - 東京高等検察庁検事長
              公正取引委員会委員長
第12代  加藤良三  2008年 - 駐米大使
第13代  熊﨑勝彦  2014年 - 最高検察庁公安部長
第14代  斉藤惇  2017年 - 東証グループ社長
第15代  榊原定征  2022年12月 - 経団連合会会長
                関西電力会長

過去のコミッショナーの経歴を見ると、まったく毛色が違います。ここに現場出身の原監督が食い込むというのはかなり大きな野望のように見えますが、現場出身者ならではの改革が進むのではないかという待望論もあるようです。

例えば、

セ・リーグへのDH採用
トレード期限の撤廃
支配下選手70人枠の撤廃

などです。

セ・リーグへのDH採用
DHとは簡単にいうと、ピッチャーの代わりに打席に立つ打撃の専門家を置く制度です。MLBやパ・リーグでは導入されており、打力が高い選手が一人増える為、得点力のアップします。投手は打撃や走塁をしなくてよい為、体力を温存でき、投球回数が増えます。強打者を抑える為に投手力も上がるという好循環が起き、パ・リーグが日本シリーズでセ・リーグを圧倒している要因と言われています(1975年のDH制パ・リーグ導入以来、29勝19敗でパリーグが勝ち越し)。

原監督以外のセ・リーグチーム監督は、投手に代打を送ったり、犠打をさせたりする駆け引きの醍醐味が損なわれる為、反対論者もいるようです。


トレード期限の撤廃
選手を移籍させる制度で、NPBでは毎年7月31日で締め切られます。期限を設けている理由は戦力の不均衡化を防いだり、サインや各チームの内部情報の漏洩を防ぐ為と言われていますが、撤廃論者の言い分としてはこの期限を撤廃することで選手が活躍の場をより広く得ることができる、という建付けです。

支配下選手70人枠の撤廃
平たく言うと70人しか選手を雇えませんよ、というルールを撤廃しようということ。過去選手の囲い込みを目的として練習生、球団職員やドラフト外入団という名目で選手と直接交渉して入団させることが認められていましたが、ドラフト入団の抜け穴となっていた為、’90年に廃止、以降はドラフトで指名された人だけしか入団できないようになっています。

しかしバブル崩壊から90年代後半にかけて社会人野球の廃部が相次ぎ、アマチュア選手の受け皿が狭まってきた背景を受け、育成選手制度が2005年から始まりました。育成選手は何人抱えても問題がない為、球団によっては1名(ヤクルト)しか獲らないところもありますし、14名獲っているところ(ソフトバンク)もあります。

一軍の選手登録は29名、ベンチ入り選手は25名と決まっており、あとの約40名を二軍に置いていますが、ソフトバンクは支配下選手67名の他に育成選手を54名抱えています。育成選手は二軍戦に最大5名しか出場できない為、支配下70人枠の撤廃は育成選手にとってはチャンスが拡がる一方、球団にとっては選手の人件費が膨らむ要因となり得るでしょう。

球団を経営する側としては既得権益を守りたいもの、選手側としたらもっと給料と好待遇を、といったところ。改革で選手の給料は高騰するでしょうし、それに伴い球団収入も増えればいいでしょうが、確たる保証はありません。

野球人口が減っているという点では、球団側、選手側それぞれに手痛い現実なので、裾野を広げる改革を望むところですが、巨人の不振が続く中、原監督の野望は成就するのでしょうか。またこのまま負けが混んできた際の今後の巨人の人事はどうなるのでしょうか。

球団やひいてはセリーグ、球界の行方を左右する今シーズンになりそうです。見所は以上です!

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