災害レベルの一平ショックを考察

日本時間3/21の朝方、家族から「おはよう、見た?」と聞かれ、思わず私は「それ以上言わないで」と返し、携帯のスマートニュースを立ち上げ、衝撃の見出しを目にしました。

「水原一平氏がドジャース解雇」

生死に関わるようなバッドニュースを覚悟していたので、若干安心した自分がいたものの、「何があったのだ!!」と関連ニュースを読み漁りました。

要約すると

・水原一平氏が違法賭博に関与
・違法賭博で背負った借金4,500万ドルを大谷選手から窃盗して返済

とのこと。

しかし不可解な点が多く、大きな謎は水原一平氏が開幕戦前の3/20に、雇用されて間もない大谷選手の危機管理担当者立ち合いの元、ESPNから90分にも及ぶ電話インタビューを受けていること、そして1日後にはインタビュー内容を完全に翻したことです。

時系列を見ていきます。

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①2021年
水原氏は大手のオンラインブックメーカーで賭博をしていたが、サンディエゴでブックメーカーのボーヤー氏と出会い、ボーヤー氏を通して賭博をするようになった。

②2023年9,10月
大谷が水原氏の借金450万ドルを負担することに同意、大谷自身が端末を操作し、ボーヤー氏関連の口座に50万ドルずつを2回送金。

③2023年10月
違法賭博容疑でボーヤー氏にFBIの捜査が入る。

④2024年1月
FBIが違法ブックメーカーへの送金記録に大谷の名前を発見。

⑤2024年3月18日 8:30
韓国入りしていたマンフレッドMLBコミッショナーが大谷に関して何かが起きていることを知る。

⑥3月19日 4:00
ESPNが大谷の代理人バレロ氏に接触。大谷の口座から2度の送金があったことについて尋ねるも、返答なし。

⑦3月19日 6:30
大谷の危機管理担当がESPNに接触。担当は雇用されたばかりで大谷サイドから情報を収集していることを明かす。

⑧3月19日 9:30
同担当者は初めて、大谷が水原に代わって借金を支払ったと述べる。同氏によれば、代理人のバレロが水原のもとを訪れ、水原は「ついに白状して、それが真実だと言った」といい、大谷は水原の借金を50万ドルずつ返済したとバレロに話したという。

⑨3月20日 10:05
大谷の危機管理管理広報が借金総額は450万ドルと認めた。

⑩3月20日 11:30
水原が危機管理担当と同席の上、ESPNの取材を受け、詳細を告白。

⑪3月20日 19:05
開幕戦が開始

⑫3月20日 22:00
MLB幹部が水原がESPNの取材を受けたと知る。

⑬3月20日 23:00
水原が試合後のチームミーティングで球団オーナー、社長幹部も同席する中、事態について謝罪。その後、ホテルに戻る途中で大谷はミーティングで話されていた内容を聞き、水原が話した内容について「知らない」と発言。大谷が自分の口座からお金が無くなったことを「初めて知った」と話した。

⑭3月21日 0:32
大谷の広報担当がESPNに記事を掲載しないよう求め、水原が嘘をついていたと伝える。

⑮3月21日 3:00
大谷の弁護団が「大谷は窃盗の被害者」と声明を出す。

⑯3月21日 3:30
ドジャースが水原を解雇

⑰3月21日 4:55
ESPNが再び水原に電話取材。水原は「嘘をついた」と述べ、前言を翻した。

⑱3月21日 5:13
大谷の広報が「大谷は何も知らず、ミーティングで事態を初めて知った。」と声明。

*すべて日本時間

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大谷選手は3/26に会見を開くとのこと。

一体真実はどこにあるのか、いくつかパターンが考えられます。

水原氏単独説

まずは⑧のバレロ代理人からの聞き取りは水原通訳にのみ行われており、水谷通訳が自分の都合のいいように事実内容のニュアンスを変え、バレロ代理人に伝えていた。大谷選手はバレロ代理人の聞き取りに同席していなかった(開幕戦前の準備でそれどころではない)。大谷選手は開幕戦後のミーティングの内容をミーティング後に別の通訳から聞き(もしかしたら山本投手専属通訳の園田芳大氏から)、そこで自分は450万ドルの返済など知らないと主張した、という流れ。大谷選手が主張するまで、大谷選手同意の元に450万ドルの返済をしていたという水谷通訳のストーリーに全員が騙されていた、ということ。普通に考えれば稚拙なウソなどすぐバレることは分かるはずなのに、憔悴した水原通訳はもはや正常な判断ができなくなっていたのかもしれない。大谷選手サイドは窃盗被害を主張していますが、解せないのは日本円にして7億円近い金を水原通訳が送金まで行えるような状態にあったのか、ということです。厳しい電子認証を潜って名義人以外の人間が名義人本人にバレずに7億も送金できるものなのでしょうか。水原氏に魔が差してしまう遠因を作ってしまった、お金の管理が杜撰だった、ということで大谷選手は非難を受けるかもしれません。

水原氏軽度スケープゴート説

次に②の水谷通訳のインタビュー通り、2023年9、10月の段階で大谷選手は借金返済に同意し、送金を行ったということ。大谷選手の2023年シーズン最終出場は9月3日ですから、取り立てのプレッシャーに耐えつつもせめて大谷選手のプレーの邪魔をしたくないと考えた水原氏が我慢を重ね、ついに大谷選手に相談に行った、というと辻褄が合います。ただ脇が甘かったのが、送金先が違法賭博業者であり、FBIやIRSが網を張っていたということ、代理人のバレロ陣営は違法業者への関与自体、罰則対象になるという考えに至らず、ESPNへの取材に応じてしまい、大谷は悪くないという論調を喧伝意図するも、⑫で取材事実を知ったMLB側が慌ててリスクを把握し、水原氏が窃盗したというストーリーを作り上げ、大谷選手を守ったという流れ。このパターンだと大谷選手が過去の発言や行動を翻し、水原窃盗説に加担したことになります。

水原氏重度スケープゴート説

想像だにしたくないケースですが、大谷選手がガッツリ賭博にハマッており、大谷選手指示の元、水原通訳が賭博を行っていたというパターン。ハナから水原氏と大谷選手で口裏を合わせており、バレロ氏にもESPNにも、あらかじめ用意したストーリーを語った。しかし関わったブックメーカーが違法だったこと、または違法と分かっていたが違法業者への送金までも罰則対象になることまで考えが至らず、MLB側の指摘で慌て、水原氏が嘘つき+窃盗犯である汚名を被り、解雇を受け入れたという流れ。


残念ながらどのパターンになっても大谷ブランドの毀損は避けられません。しかし7年にも及ぶ大谷ー水原の蜜月関係は限界に来ていたのかもしれません。おそらくボーヤー氏は大谷ブランドを狙って、水原氏に近づいてきたのでしょう。まんまと賭博沼にハマって多額の負債を背負ってしまいました。数々の偉業を支えてきた一平さん、二人の仲睦まじい友情は我々日本国民の清涼剤、癒しといってもいい存在でした。それがこのような形で終焉を迎えてしまうとは。今は行方知らずとのことですが、無事でいることを願います。

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