クルーバーが引退

最強にクールな男、2度のサイヤングに輝き、ノーヒッターも果たしたコーリー・クルーバーが遂に引退を発表しました。

抑えても打たれてもポーカーフェイスを貫き、絶妙なコントロールとマウンド捌き、スライダーとシンカーを自在に操り、短期間ながらインディアンズにカラスコ、クレビンジャー、バウアーと投手王国を築いた超一流投手です。

特に2017年、2018年は圧巻の活躍でした。

2度目のサイヤングを受賞した2017年はチームメイトのカラスコと共に18勝で最多勝を受賞、バウアーも17勝を挙げ、チーム防御率は30球団1位、シーズン102勝でア・リーグ中地区をぶっちぎりで制しました(その後惜しくも地区シリーズでヤンキースに敗れ、そのヤンキースはアストロズに敗れ、アストロズがドジャースを下し、ワールドシリーズを制覇)。

2018年もなんと20勝、チームも91勝を挙げ、中地区2位のツインズに13ゲームをつけて地区優勝します(しかし地区シリーズでアストロズに敗北)。この年はレッドソックス、ヤンキース、アストロズと100勝超えのチームが3チーム存在し、レッドソックスのムーキー・ベッツが.343で首位打者、レイズのブレイク・スネルが21勝で最多勝、防御率1.89で最優秀防御率、アストロズではバーランダーが290奪三振で奪三振王を獲得と、各選手非常にハイレベルな戦いを繰り広げ、クルーバーは20勝を挙げながら無冠という無念な年となりました。

しかし、2019年、思わぬ転機が訪れてしまいます。

2019年5月1日のマーリンズ戦、ブライアン・アンダーソンの痛烈な102マイルのピッチャーライナーが右腕を直撃、結果、右腕尺骨を骨折してしまいます。

この年の復帰は叶わず、オフにトレードでレンジャーズに放出されてしまいます。レンジャーズでもわずか1試合のみの登板でFAとなり、2021年年明けにヤンキースと単年契約、この年にノーヒッターを達成します。

その後も単年ごとにレイズ、レッドソックスと渡り歩きますが、2018年以来の活躍は見込めず、2024年2月9日、自身のインスタグラムで現役引退を発表しました。

抑えでも中継ぎでももっと投げる姿を見たかった選手です。2022年のレイズでは31先発をしていますが、投球回は164回で1試合平均5.29イニングと、年間200イニングをどれくらい超えてくるかが評価のひとつとなる先発投手としては物足りなかったという点、肝心の防御率も4.34と厳しい数字となり、最も輝いていた2014年からの5年間と比べると、右腕を骨折してしまってからの直近5年間は本人もとても悔しい気持ちを持ち続けたままのプレーだったと思います。

ヤンキースではノーヒッターという輝きを見せたものの、結果的に見れば2019年のピッチャー強襲で負った右腕骨折が明暗を分け、彼のキャリアは下降していったといえるでしょう。

本当に惜しく、そして本当にお疲れ様でしたと心からの讃辞とリスペクトを送りたいと思います。素晴らしいピッチングを有難う、クルーバー!!

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